「縁」を尊ぶ歴史のまち・伊勢
有史以来のホスピタリティマインド
2000年の歴史を有し、日本の精神文化の原点かつ神道の頂点である伊勢神宮。 神宮の歴史とともに、自分を含む人間から自然まで、共存共生の精神で広く愛し敬う心も、伊勢に住まう人々の間で永く育まれてきました。 自分にもたらされる僥倖や恩恵に対する感謝の気持ちは、「おかげさまで…」と表現されます。「おかげさま=お陰様」の「陰」とは、神仏の庇護を意味します。伊勢というまちに根差すホスピタリティ・「おかげさま」は、神宮巡礼の旅=「おかげ参り」が爆発的なブームとなった江戸時代にはすでに確立されていたものです。 「おかげ参り」は、伊勢のまちに様々な出会いと交流をもたらしました。人と人との結びつきや「縁」に対して深く敬意を払うのも、伊勢の人々にとってはごく自然なことだと言えましょう。 「おかげさま」の歴史を持つまち・伊勢で挙げる祝言は、格別祝福に満ちたものになるでしょう。
「禊」みそぎ
"●●● 君により 言の繁きを故郷の 明香の河に
禊しにゆく ~万葉集より~ ●●●"
万葉集にも詠われた、禊の儀。 古来より日本人は、重大な神事などに赴く前等にはわが身を氷水や滝、川や海で洗い清める儀式を行ってきました。 『結心婚』では、挙式の前にお二人または親族共に『無垢塩祓(むくしおばらい)』の禊を行います。 結婚前夜は、己の来し方と二人の行く末を、深く、心静かに想うひとときであってほしいと願います。 人生の伴侶のために、旧いものを祓い、無垢な心と体となるために「禊」を体験ください。敬虔な気持ちで臨むお二人の姿は、それだけで周りを浄化し、より神聖なものとなるでしょう。
夫婦岩御前にて清めの儀
●●● 由緒ある禊の社(やしろ)・二見興玉神社 ●●●
二見浦は古来より「清き渚」と呼ばれ、伊勢神宮に参拝する前や祭典に奉仕する前には、二見浦で心身を清める禊を行う慣わしがありました。
夏至の日の出は夫婦岩の間から昇ることはよく知られていますが、その際にも「夏至祭」として、多くの参拝者が浜に入り身を清めます。また、伊勢神宮参拝前に心身を清める禊は特に「浜参宮」と呼ばれ、現在でもこの風習は受け継がれています。
現代では沐浴式の禊に代わるものとして、興玉神石付近で採れる海草(アマモ)を幣に用いる無垢塩草でのお祓いスタイルがあります。